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2017.05.14 Sunday

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2006.04.01 Saturday

血をせびれ

落書き

血をせびれ           中村俊亮
                      せびれせびれ 血をせびれ
                      血のでぬときは
                      他人の血をぬすめ
夜のつぎは朝で 何にもない
きたないものたちがくたびれているばかり
朝 安定所にたむろする人々のうしろで
ながいことを待つ物象(しごとにあぶれたひと)
僕はだらしなく つねに美しさを誇っている太陽の永遠性を浴び
カサカサ息を吐きながら
行くあてのない街をさまよい
どうにもならない苛立ちに骨を削られ
折れそうな骨を繃帯で支えては
むなしい型にはめられた今日を生きながらえてゆく
また歩きだし また足を停め
ふと
目的地のある密航船と
うらぶれてゆく自分の人生とをならべてみる
そして ゆくはてにある空漠と道づれ
生きたくもない世界のみごとなわびしさ
裸身の夏に色どられた8時
しごとにあぶれて人々が餌をあさりに
いっぱい飲み屋や 臭い食堂に入りみだれ
気のぬけたビールのようにしずむ
小指のないやくざ風の男のくしゃみが
いっそう哀しく 心を抱かない海
つめたさだけが僕にしたしい
不意に口じゅう「死」にとりつかれた人々が
のたうち廻り 地獄絵
僕はまっ先に眼をふせ 叫び声のなかで溺れてゆく自我をぼんやり眺め
はりつけになった希望の前で力なく愛を!
いま吐いたばかりのラーメンを
もう一度 口にほうりこむ男
めし屋から盗んだ皿を道にたたきつける男は
しごとのないぼくらの国にばんざいバンザイする
朝のよいどれたち ニセ作りの魂にまたがり
この持てる一切を酒という忘れ花草に売りさばく 誰も理解するな!
この街には入口がないが 裏口なら無数にあった
僕はほそい路地をつたわって
行き止まりのパチンコ屋にまぎれこんだ
どの男も逃げ道をさがし ほろびさり
どの男も自分自身の敗北をまさぐっていた
いっぱいの暗さを飲み込んだ魂を葬むれ!
僕は無一文になり
ガラスにたる雨のしずくを頬にあてながら
ろくでもない恋人を待っているように
ながいあいだ立ちつくす
ときどき咳をしてはおずおずと
うなだれていた
景品を買いとるバイニンがおいでおいでのブルース
  <なに一つ誇るものを持たぬ僕のすべては放蕩 僕は理由もなくど
   なってみたかった・・・・・・・・・・省略・・・>
その時 すれちがう少年補導車からロックがしびれる
おかわいそうに おかわいそうに
この世で死にかけ あの世で生きかけ
僕らとキリストさまのわるい悲運

  <することのない 僕はすっかり乾いていた 人々には散歩にしか
   みえない僕のさすらいはガス自殺でもしないかぎり続くだろう
   このさきには僕を必要とする世界があると信じながら あきらめ
   ながら僕は敷石の上を歩いていた どの方向に行ってもおなじこ
   とだ あきらめだけが豊か やぶれかぶれ 何も考えたくなかっ
   た ぐんにゃりした幻覚 そう思いながら考えていた 生きるこ
   と それゆえに眼の前の現実が重い 青春という果実 僕の樹に
   はみのらない 黒い太陽め!               >

どうなってもよかったから僕はエロ写真を手に
僕の恋人も通るだろう街角に立つ
 ダンナ スケベダンナ カッテナ
 ダンナ スケベダンナ カッテナ
 ダンナ オニイサマ  ダンナ
僕はひっ返すことなんかしない
ふりかえれば腐敗
運命どおり生きてゆく魂の寂寥


・・・・・省略

詩集「愛なしで」中村俊亮   全篇掲載しました「完」
  次回から詩集「イエスタデイ」中村俊亮を順次掲載します。   









2006.03.19 Sunday

僕の神が夜逃げした

ソケット僕の神が夜逃げした   中村俊亮

 
僕の神が夜逃げした。気づいた時は夜明かし麻雀のやくざな男たちが
眠る朝だった 鍵はかけたはずだ さすれば尻の穴から逃げたにちがい
ない 畜生め! あまりのことに僕は鼻血を出した いつの日にか裏切
るだろうと信じていた予言が信じられないほどの速さで地獄から戻って
きたにすぎない なにものをも信じない それが僕の信仰だ 僕に使え
る生きものよ 勝手気ままに逃げるがいい さぞこの世がはれやかに見
えることだろう おお 今なお純潔なオフェリア 僕は彼女の愛だけを
信じます いく夜僕は彼女の狂い咲く歌声に夢精しただろう

ただならぬ裏切り 僕は町じゅうを呶鳴りちらし 走った 聞くがい
い 神が夜逃げした 窓窓窓がひらき 朝ぼらけの亭主の顔や女社長の
顔が下をみおろし 花はゆるやかに裸身を蜜峰に委ね 女の股はとじら
れ 肉屋の娘が十回目の失恋 行き合う人に神を見かけなかったかと聞
くのだが誰も彼もが神など必要としない上機嫌の誰でも彼でもばかり
畜生め! 僕はありったけの怒りをはりあげしなやかな黒ユリに嫉妬す
る ガラス屋にあるガラスぜんぶを割ったとしても僕の怒りはふりそそ
ぐ 走った走った 小径にちらばっている南京豆と蚕の卵を朝食にした
 三時間のちも走っていた いくつもいくつもの汚れた大通りの町角を
曲り くたびれに乾く いくつもいくつも町を横ぎり ふたたび乾く
神への懲罰は葬式にうたう一節の死だ

 正午すぎ哀れな企みがはためく うるさいはえどもよ 将軍の家に行
くがいい そして夜ごと戦死した夫たちとワルツを踊るがいい よき時
代に浸るがいい 森のほとり 美しくありたい樹々の願いがうずたかく

 それら樹々を照らしている太陽が佝僂男の脳味噌だとは誰が知ろう
土の中で密かに結婚する根と根 すでにお三時の時間 次から次に着物
をかえる空にひとすじの虹《いづこに行きあがった 僕の神》僕は小便
小僧のペニスからふきでている水をくちびるにひたし 木苺をむさぼる
 まもなく僕は広場の草むらに倒れるだろう 僕に残されたものは神な
くても生きぬく生命力だ 洗濯女の笑い声で眼がさめた《神ならあっち
に行ったわ》夏のある虱のいる暴動がたえないところ 砂漠の井戸
神が逃げたことによって僕にも目的が生れた 復讐! そのほかには何
も無 神をみつけ出せ

 きらびやかな夕ぐれ この一瞬の美徳に陶酔する セメントを盛り沢
山ぬりこめた建物から幽霊どものお帰り 焼けただれて顔のない幽霊ど
もよ 今日も見すてられた霊魂がスミレ色に冷えてゆく 立向かおうと
する しかし 愚かにも燻る未来像への花火 僕は個人的なざわめきの
なかを空廻りし支えきれない悲痛に病気する 旅! 旅するには空気み
たいな金がいる その日ぐらしの僕には盗みでもしないかぎり いつし
か僕は船着場に佇んでいた 何げなくふりむくと闇タバコを耳にくわえ
た男が立っていた 男は戸籍謄本を売ってくれと言葉の上に金高をつん
だ 僕はきたなく昡暈し ぼんやり売った 僕の一切は男のなすがまま
に呼吸してゆくだろう 死にぞこないの心臓からたくさんの羞恥 夜も
すがら痴漢や酔いどれたちが檻の中にぶちこまれる 檻の中は栄えるだ
ろう いたるところの不衛生な灯は消え きみらの溜場《アドリブ》の
灯だけがうつろに光る

ここはどこなの  どこでもいい
あんたは誰なの  誰でもいい
誰でもいい    誰でもいい

哀れな青年
哀れな少女

踊っている人   誰なの
女を抱いている人 誰なの 
哀れな青年
哀れな少女

踊らない
「あたい と・・・・」
誰でもいい    誰でもいい
メキシコ女が歌う アイアイアイ
それから
それから
何かおころうと
メロンはくしゃみを禁じられているし
恋はうそつきだし
ネオンは赤いし
僕は遥かな島に旅立つし
涙は塩辛いし
グラスの酒はにせものだし
この少女は処女でないし
メキシコ女が歌う アイアイアイ
何でもいい 何でもいい

 あけぼのに出発 昔ながらの赤い鶏に見送られ出発する 島ははるか
に遠く 空には星が喰いちらかしたバナナの皮 いっせいに飛び立つ鳥
 心なぜか苦い 不要なもの あるあまるほど いまだ見たことのない
沼 いまだ見たことのない城跡 あきあきしたあなたの名とおなじバア
ーの看板 うすれてゆく風景の記憶 神の求めたのは なんだ それが
知りたい とりわけ知りたいのは死ぬぎわに悔するしかないかだ 僕と
いう人間からは縁遠いのどかな竹笛に道案内され 僕らが傷つけたであ
ろう自然をゆるやかに流れる 僕は辻音楽家の乞食にパンにはさんだ金
貨をあたえた 僕の裁きを受ける神はもしやあの乞食ではなかったか
 もうすぐ島

 島 島には白人とニグロが同居している 白人はニグロの呪いを背負
い 苦しく働く 金と船さえあれば脱走をくわだてたいのだ 島ではニ
グロが白人を使い さながら平和にみちてくる 僕は露天床屋で髭をあ
てがい 汗にまみれた肌をアルコールで拭いた 年中祭りの如く賑わう
果物市場から甘美な匂いがただよう かなりの露天 僕はゆっくり歩き
まわった 綿菓子をしゃぶる子供 カスタネットにもだえ踊る女 僕に
そそがれる嫌悪は明らかに僕らの祖先がニグロにおかした数々の地獄の
鞄 ふと 僕は夏ミカンを買う修道尼に話しかけようとした 僕の視線
をうけとるやいなや後をも見ずに駈けていった 僕はうなじの匂いをた
よりに追跡した 大理石の階段を登り あたりには教会だけだ 僕は足
跡をたんねんに消しながら教会の窓をのぞいた 驚くではないか 僕の
神がいる 昼下がり 僕の神と修道尼が性交していた みっともないほ
どうめいている 神の求めたのは愛欲 神とはかくも小さな石の偶像
かの修道尼は飢えたる人々に心にもない祈りをささげるだろう 人々へ
の献身的な愛こそはかの修道尼の生命ではなかったか 僕は性交の終る
のを待つ 終ったらただちに二人の魂をめがけて拳銃の引金を引く
 僕は死を愛する 今こそ射て
 なにものも信じない それが僕の信仰だ

詩集「愛なしで」1965 から








 










 






2006.02.18 Saturday

唄 中村俊亮

上映開始
唄 中村俊亮
こんなものなのさ ぼくらの青春
ぼくらが考えるもの
ぼくらが見つめるもの
ぼくらが失ったもの
こんなものなのさ こんなものなのさ

ぼくらをうけとめる豊かな胸なんかありゃしない

すんでしまったことなのさ
ぼくを形どっていた骨を
セロリのようにおってくれ
塩がいいか
マヨネエズがいいか
ジャムがいいか
それは これから一生かかって考える
時には くやしいけどあなたのことも考える

青空にガソリンをまき
煙草をくわえたまま身を投げる
ぼくらのヒーロー
きみは骨になる試みをしたが
ぼくらは何の試みをするべきか

ぼくにふさわしい試みは
たとえば マダムを殺すこと
たとえば 少年鑑別所を脱走すること
たとえば くたびれるまで殴ること
たとえば
たとえば
<おお キャロル>

デュエットは今日限り

<コルトレーンて すごく好きさ
 やぶれた今日みたいで    >

知っちゃいけない 知っちゃいけない




中略


ただひとつだけ知っちまえ
あしたもあさっても空しいことを

「いけねえよ 自分をほろぼしちゃ」



      詩集「愛なしで」より


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  • 2005.12.10 Saturday

    愛する

    ビートルズ来日のころ
    12月8日は、元ビートルズのジョン・レノンが銃弾に倒れて25年になる。そして64年前のこの日は、太平洋戦争開戦の日でもある。写真は、ビートルズが来日したこのものです。


    愛する     中村俊亮

    愛する この言葉がある故に
    ありとあらゆる愛 色彩になり
    ひとりでいることに耐えかねて
    ひとつの性を選び 選んだ性に
    やさしくあびせかける 言葉
    言葉に酔いしれたのか
    まびしいしぐさに酔いしれたのか
    いつのまにか チューリップを濡らし
    燃えてゆく星が歌う あい 愛 あい
    愛するふたりは
    シェエカーのなかでまぜあわされ
    あたえあう男と女の
    海とからみあう脚
    猫の眼は男の眼 女は大きく夢見る
    すべてがゆるされ 離れてゆく叫び
    男は女をしるまえよりも孤独
    女は男を知るまえよりも希望
    それから
    男は他人よりもなお他人の接吻をし
    信じあったふたりは街角の他人
    愛する
    もう一度 おろかにききかえす 誰か
    もう一度 もとめる      誰か
    愛する  この言葉がある故に
    不安になり うらぎられ 信じ合い
    男も女も自分以外の性を嫉妬する
    そして 始まる ぎこちないわかれの日

                詩集「愛なしで」1965 より

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  • 2005.11.20 Sunday

    ハート ブレーク ホテル

    ハート ブレーク ホテル

    ハート ブレーク ホテル      中村 俊亮

    女はむかしの愛を他の男に流した
    だからぼくは信じきれない男たちを
    吹き荒れる風にのせて
    いっぱいのかなしみが笑っている
    ホテルに入会させた

    ぼくたち 女を美しいと思わない
    ぼくたち すっかり死を愛してみたくなる
    ぼくたち 眼の中に洋傘をさしている
    ばくたち ひとりの遊園地でブランコにのっている
    ぼくたち ひとり雨に濡れている

    黒いハート街の六月番地
    <ハート ブレーク ホテル>

    僕たちの部屋 歪がザラザラ
    僕たちの部屋 向日葵が首つり
    ぼくたち   女の乳房にナイフを刺す
    ぼくたち   いっぱいの花束をむしりとる
    ぼくたち   血のにじんだガムを棺にはりつける
    ぼくたち   血をドラムのように打つ
    ぼくたち泣くようにうたう
    ぼくたち死霊のようにうたう
    たまらなく たまらなくうたう
    ハート ブレーク ホテルを  

     あっけなく汚れてしまった日の
     イマージュ<<ねじれて>>車輪の下
    ぼくたち ありもしない未来にむかって歩む
    ぼくたち ありあまるいのちを投げる
    ぼくたちうたう
    いっぱい いっぱい うたう
    国境のないぼくたち
    いっぱい いっぱい うたう
    ひろい ひろい
    ぼくたちの曠野に
    ジェームス ディーンに
    女たちに
    ふしあわせな世界に
    いっぱい いっぱいの
    ハート ブレーク ホテルを



    詩集「愛なしで」1965 より


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  • 2005.11.08 Tuesday

    雪が降る

    みぞれの日
    '05.11.09雨上がりの雲間から、雪を被った岩手山が出てきた。 (写真)-みぞれになった日 (2004)-
             

    雪が降る         中村俊亮

    北の街に雪が降った

    甘い雪が降った

    だれのこころにも白い花びらが降った

    僕の魂にも ふんわり ふんわり

    雪が降った

    北の町は僕のように白い

    北の町は少女の血のようにうつくしい


    <雪はどこから落ちてくるの

     雪はどこから落ちてくるの>


    <天から落ちてくるのかしら

     天から落ちてくるのかしら>


    <どうして落ちてくるの

     どうして落ちてくるの>


    <あばれん坊だから

     いいこでないからよ>


    <雪はどうして白いの

     雪はどうしてかなしい色をしているの>


    <死んだ少年の骨の粉だから白いの

     死んだ少年の骨の粉だからかなしい色をしているの


    そのことが知りたい

    少女のことが知りたいように

    星のダンス会の夜 僕はそっと

    天に登ってみる

    少年は星の少女と恋をしている

    少年は星の少女と未来を語り合っている


    星の机 星のペン 雪の便箋

    ひとりの白い少年が白い手紙を書いている

    アイラブユーがうまく書けないらしい

    だから ちぎって ちぎって

    こまく こまく 

    涙のように雪が降る

     
              詩集「愛なしで」より

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  • 2005.10.30 Sunday

    愛する

    標識1
    愛する            中村俊亮

    愛する この言葉がある故に

    ありとあらゆる愛 色彩になり

    ひとりでいることに耐えかねて

    ひとつの性を選び 選んだ性に

    やさしくあびせかける 言葉

    言葉に酔いしれたのか

    まぶしいしぐさに酔いしれたのか

    いつのまにか チューリップを濡らし

    燃えてゆく星が歌う あい 愛 あい

    愛するふたりは

    シェエカーのなかでまぜあわされ

    あたえあう男と女の

    海とからみあう脚

    猫の眼は男の眼  女は大きく夢見る

    すべてがゆるされ 離れてゆく叫び

    男は女を知るまえよりも孤独

    女は男を知るまえよりも希望

    それから

    男は他人よりもなお他人の接吻をし

    信じあったふたりは街角の他人

    愛する

    もう一度 おろかにききかえす 誰か

    もう一度 もとめる      誰か

    愛する  この言葉がある故に

    不安になり うらぎられ 信じ合い

    男も女も自分以外の性を嫉妬する

    そして 始まる ぎこちないわかれの日

           
                詩集「愛なしで」より



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